もう居なくなってしまった人たちの思い出の香り

ビームコミックス エマ 8巻(通常版)

ビームコミックス エマ 8巻(通常版)

この巻の「夢の水晶宮」が好き。

ここに漂っているのは、もう居なくなってしまった人たちの思い出の香り。

永い時の流れの中で、人は、精一杯泣いたり怒ったり喜んだりしている。でもそんな沢山の出来事も、時の永さの中では、ほんのささいなものなので、すぐ消え去っていってしまう。

歴史の中には、そんな人々の思い出が、一杯詰まっている。たぶんほんとうに、一杯。だけど誰も気付かないし気付きようもない。

そしていずれ、私たちの思い出も言葉も、同じように時の流れの中に、消え去っていく。