内田樹の研究室 - X氏の生活と意見

学生たちには、エッセイを通じて、「私と名乗る他者」に言葉を託したときに、私がこれまで一度も口にしたことのない種類の言葉が「まるで私自身の言葉でもあるかのように」湧き出てくるという機制を経験して欲しかったのである。
それが「書く」という行為の本質的経験である。
同時にそこに「書く」ことの魔境も存在する。